HP更新案内と徒然文。管理者の萌えの叫び場。
2008.12.22,Mon
夜中も過ぎてこそっと小話ラストを更新。アレナニ話(略しすぎ)ラストです。→第一夜。第二夜。
油断すると兄語りですら冗長になってしまいます。反省。
兄上はそんなに色々と頭の中では考えないと思うんです(兄をそんな脳筋みたいに・・・)。不言実行不惑実行。
これにかかりっきりになって、気がつけば12月も半分終わってしまった(ノ∀`)
今週は祝日一回あるし、放置しっぱなしになってるサイトの方にこの小話もまとめて修正なんかもして上げ直す予定でおります。
あとリンク関係と、ご挨拶なども。宿題を溜めすぎて首の回らなくなった夏休みの小学生の気分です。まるで成長していない。
犬兄一人称語り、兄上三夜目で悲願達成編。
ぬるいですがR-15でお願いします。
読み直しとか校正殆どしてないままで色々とすみませんがorz 温かい目でご覧になって頂ける方は折込からどうぞです。
油断すると兄語りですら冗長になってしまいます。反省。
兄上はそんなに色々と頭の中では考えないと思うんです(兄をそんな脳筋みたいに・・・)。不言実行不惑実行。
これにかかりっきりになって、気がつけば12月も半分終わってしまった(ノ∀`)
今週は祝日一回あるし、放置しっぱなしになってるサイトの方にこの小話もまとめて修正なんかもして上げ直す予定でおります。
あとリンク関係と、ご挨拶なども。宿題を溜めすぎて首の回らなくなった夏休みの小学生の気分です。まるで成長していない。
犬兄一人称語り、兄上三夜目で悲願達成編。
ぬるいですがR-15でお願いします。
読み直しとか校正殆どしてないままで色々とすみませんがorz 温かい目でご覧になって頂ける方は折込からどうぞです。
**********************
一夜の休息は心身の疲労を取り去ると共に、思考を纏める助けにもなるらしい。
人間のしぶとさ、行動の多彩さの元の一つにほぼ毎夜取らねばならぬ眠りにあるのだろうと、その様な事も知った。
確かにつらつらと物思いに耽続けるよりも、数刻の間身を横たえ全てを忘れた後にこそ、それまで思いも寄らなかった事柄が不意に浮かびやすい。
霧が陽光の下消え行くように、一夜明けてみると靄掛かっていた脳裏が晴れ、新たな対処を見出していた。
「……今日は、日中随分と大人しかったそうだな」
寝所の隅に置かれた火鉢から緩々と昇る熱が室内を暖めている。余りの静けさに、どちらかが声を発せぬ間は熾る炭の崩れる音すらよく響いた。
微かな灯りの中に浮かぶ姿は、陽の下で見るそれとはまた違う、独特の艶めきがある。それを見るにつけ、間近に置きながらよくも二夜も続けて無為に過ごせたものだと、我ながら感心する。
今宵もりんの膝には、先の二夜と同じように命内包する珠が乗っている。それに両手を添え護るように抱える様は先と同じであるが、その両の瞳に映すものは先の夜と異なっていた。
りんは昨夜ほど思い詰めていないようだが、それでも常に比べると大人しい。こちらの様子をじっと窺い、時折何事か云わんと微かに口を開け、しかし声を発することなく閉じていた。
「邪見らが案じていた。……もしや竜に憑かれ、精気を吸い取られているのではないか、とな」
「そ、そんなことない。そんなこと、する子じゃないよ……」
「だろうな」
竜と云えども所詮は他者に使役される三爪の低位竜。知性はそれなり高いが周囲のものに容易く感化されるその質故に、仕える主に因り幾らでも良きものとも悪しきものとも為る。その点、この場に在る竜と成るべきもの、は懸念せずとも良い。それに、りんに害為すと見做せばとうに屠ってある。
尚且つ。
「……お前には他の者が憑く余地など既に、僅か程もあるまい」
「え?」
私が発した言葉の意味を解しきれなかったりんが首を傾げる。その様に微かに笑いが漏れた。
りんには答えを与えるつもりはなく、鈍く灯る炭火に視線を落とし、火鉢の縁をなぞる。
頃合とみて中に手を差し入れれば途端、りんが上擦った声を発した。
「殺生丸さまっ!手がっ……!」
慌てた様子で擦り寄ると咄嗟に私の腕を両手で掴み出し、りん自身の胸元へと引き寄せてみせた。
「大丈夫?熱くない?冷やさないと…お、お水…っ」
「…りん、落ち着け」
「でもっ。火に殺生丸さまの手が………っ」
りんは狼狽えつつ、指の一本一本を検分し始める。云うより先に見せる方が早かろうと好きにさせる。間も無く指の先に幾許の灰が付いてこそあれ、皮膚は一切傷付いてなどいないことに気付いたようだった。
「………あれ…?」
鋭く硬い爪持つ指も、りん自身のものと比べたところで男と女の差異程度としか捉えていないのか。
我が妻は時折、夫が何者であるか失念するらしい。
「気は済んだか」
声に隠し切れぬ呆れが混じっていると、気付いたのだろう。りんは赤面した。
「……ご、ごめんなさい……」
「炭に熾る熱如きで爛れる程、我が身脆くはないぞ」
「……うん、……ごめんなさい…」
「…責めているのではない。それより……」
りんの後方へ目を向けるとりんも視線を辿り振り返る。敷かれた柔らかな褥の中央に転がる、先程まで膝に上げていたものに気付きりんはまた小さく狼狽の声を上げた。
咄嗟に、元居た位置に戻ろうとしたようだが、私が掴む手を離さずにいると、少しばかり逡巡した後空く方の腕を伸ばし、巻き付けた布を引き寄せるようにして卵を懐に取り戻していた。
あの一瞬に優先させたのは、懐に庇護するものでなく……。
手負いの化物にも近寄り、手当ての真似事をしてのけた幼子は、化物のつくりを幼子なりに解すようになったそれ以降もその質変わらず。後も化物が手傷負う姿を目にすると、自身が傷ついたかのように顔を歪め心底案じてきた。
そう。りんは、失念しているのではない。知りながら尚、案じるのだ。
そのような処は昔も今も、一向に変わらぬ。
我知らず、薄く笑みが浮かんでいたかもしれない。触れ合わせたままの手指を、今度はこちらから絡め合わせ、擦り合わせる。更に口元へ引き寄せ、柔らかな爪乗る柔らかなその指先に、歯を立てた。膚も傷付けぬ様に、出来得る限り加減する。
膚も肉も貫いてしまえば、一度きりで終いだ。この柔らかな身には何度でも、何時までも触れていたい。それ故に。
「……殺生丸さま?」
されるがまま手指を差し出し、しかし思いを与しきれず問い掛けてくる無防備な姿。声に微かな震えが混じっていたと、そう聞こえた気がしたのは朱に色付くりんの貌を見た為か。
己の内に騒ぎ出す焦燥の声を押さえ、指先から手首、肘に更にその先にと舌を這わせたい欲を一時制し、掴む手を下ろし我が膝へと置かせた。
りんに拒む態なく、従う手を拘束から解き放つも置かれた処から離れることなく、じわと熱を伝えてくる。
――灰の上鈍く燃える火の熱など、直に触れたとて何程のこともない。
我が身を焦がす熱は唯――
りんを解放したばかりの手で、炭火の下に敷かれた灰の奥深く迄刺されてあった火箸を引き抜く。
「やはり、お前が見ている前ではこれを使うとしよう。……お前が真似ても良いようにな」
「……真似なんて、しないもの」
「どうだかな」
些か臍を曲げたのか、意地でも、といった調子でりんは云い張る。前例があるからこそ釘を刺したまでだ。
意固地になりながらも興味津々といった風の眼差しを受けながら、火箸の先を炭に交じり置かれた石の窪みに掛け引き上げた。
「あ。…温石?」
逆の手に乗せた厚織りの布の上に、引き上げたばかりの石を置き全体を包む。
私には必要のない物の一つだが、用い方などは何時からか、何時の間にか、記憶に留めた。
炭火熾る鉢にしてもそうだが、こういった物は今では邸内を見渡せば彼方此方に、然り気無く且つ当然のように在る。
覆った布の上にも熱を伝える石を、火鉢の傍らに置いてあった円形の篭の底に敷き、再び別の石を取り出す。
そのようにして整えられた温石を篭に置く様を見、りんは奇妙な顔付きになった。
「……何だ」
「…………りんも欲しい」
「お前には、必要なかろうが……」
このような物に頼らずとも、寝所でりんに寒さを覚えさせることなどない。しかしりんは何を不満に思ったのか、ふいと顔を横に背けた。呟く小声の意味を纏めると、私の用意した物だから自分も欲しかったということらしい。
「……お前に渡すではないが、いずれにしてもお前の為のものだ」
「え?」
篭の底、周囲に温石を並べ、その上に更に布を被せ。
「そら」
りんの膝からついに、二夜に渡り煩わせた大元を取り上げ、中央にできた窪みに置いた。
「殺生丸さま……?」
「…さて……。これで卵は冷えぬ、お前の目も届く」
「………うん…」
「さあ、他に懸念することはあるか?」
「えっ…?」
「あれば云え。一つずつ善処してやろう」
「え……えっと……」
逡巡してる間にも再び手を捕らえ、細腰に腕を回し引き寄せる。偶にならば悪くも無いが、今宵も他愛の無い談話ばかりで終わらせるつもりはもうない。
「…無ければ後は、お前に私の願いを叶えてもらおうか」
耳朶に口寄せ更に促してみれば、心からのものではない拒絶の仕草を見せながら、同じく心から反れた小やかなあがきの声が上がった。
「…あ…の、かご…、下は温かそうだけど、上、は…寒そうだなあって……」
「……そうだな。ならば……」
善処するとは云ったが、捕らえた身体を解放する気もない。
色付く頬に、微かに揺れる瞳。一層の熱を持ち始めた膚。詰まらぬ貞淑さなど今は忘れ果ててしまえば良い。
噛み付かんばかりの口付けを与え、同時に夜着を止める帯紐を解く。
「……やっ…」
性急といえるほど一息に衣を剥ぎ取り、篭の上目掛け放った。
「…これで良かろう」
「…………う、ん…」
合間に囁き、後はそれに目も向けない。りんの熱と匂い残る衣で覆われるなど異例の扱いだと、それは重々知るべきだ。
「寒くはないか……?」
「…ううん……あついくらい……」
重みを掛け褥に横たわらせると、覆うものがない全身に絡む視線から逃れるように首に腕を回し、りんから身体をより密着させてくる。
直に触れる素肌は心地好く、何よりも熱い。
火の熱など何程のものでなく。
我が身を焦がすは唯、この熱ばかり。
**********************
一夜の休息は心身の疲労を取り去ると共に、思考を纏める助けにもなるらしい。
人間のしぶとさ、行動の多彩さの元の一つにほぼ毎夜取らねばならぬ眠りにあるのだろうと、その様な事も知った。
確かにつらつらと物思いに耽続けるよりも、数刻の間身を横たえ全てを忘れた後にこそ、それまで思いも寄らなかった事柄が不意に浮かびやすい。
霧が陽光の下消え行くように、一夜明けてみると靄掛かっていた脳裏が晴れ、新たな対処を見出していた。
「……今日は、日中随分と大人しかったそうだな」
寝所の隅に置かれた火鉢から緩々と昇る熱が室内を暖めている。余りの静けさに、どちらかが声を発せぬ間は熾る炭の崩れる音すらよく響いた。
微かな灯りの中に浮かぶ姿は、陽の下で見るそれとはまた違う、独特の艶めきがある。それを見るにつけ、間近に置きながらよくも二夜も続けて無為に過ごせたものだと、我ながら感心する。
今宵もりんの膝には、先の二夜と同じように命内包する珠が乗っている。それに両手を添え護るように抱える様は先と同じであるが、その両の瞳に映すものは先の夜と異なっていた。
りんは昨夜ほど思い詰めていないようだが、それでも常に比べると大人しい。こちらの様子をじっと窺い、時折何事か云わんと微かに口を開け、しかし声を発することなく閉じていた。
「邪見らが案じていた。……もしや竜に憑かれ、精気を吸い取られているのではないか、とな」
「そ、そんなことない。そんなこと、する子じゃないよ……」
「だろうな」
竜と云えども所詮は他者に使役される三爪の低位竜。知性はそれなり高いが周囲のものに容易く感化されるその質故に、仕える主に因り幾らでも良きものとも悪しきものとも為る。その点、この場に在る竜と成るべきもの、は懸念せずとも良い。それに、りんに害為すと見做せばとうに屠ってある。
尚且つ。
「……お前には他の者が憑く余地など既に、僅か程もあるまい」
「え?」
私が発した言葉の意味を解しきれなかったりんが首を傾げる。その様に微かに笑いが漏れた。
りんには答えを与えるつもりはなく、鈍く灯る炭火に視線を落とし、火鉢の縁をなぞる。
頃合とみて中に手を差し入れれば途端、りんが上擦った声を発した。
「殺生丸さまっ!手がっ……!」
慌てた様子で擦り寄ると咄嗟に私の腕を両手で掴み出し、りん自身の胸元へと引き寄せてみせた。
「大丈夫?熱くない?冷やさないと…お、お水…っ」
「…りん、落ち着け」
「でもっ。火に殺生丸さまの手が………っ」
りんは狼狽えつつ、指の一本一本を検分し始める。云うより先に見せる方が早かろうと好きにさせる。間も無く指の先に幾許の灰が付いてこそあれ、皮膚は一切傷付いてなどいないことに気付いたようだった。
「………あれ…?」
鋭く硬い爪持つ指も、りん自身のものと比べたところで男と女の差異程度としか捉えていないのか。
我が妻は時折、夫が何者であるか失念するらしい。
「気は済んだか」
声に隠し切れぬ呆れが混じっていると、気付いたのだろう。りんは赤面した。
「……ご、ごめんなさい……」
「炭に熾る熱如きで爛れる程、我が身脆くはないぞ」
「……うん、……ごめんなさい…」
「…責めているのではない。それより……」
りんの後方へ目を向けるとりんも視線を辿り振り返る。敷かれた柔らかな褥の中央に転がる、先程まで膝に上げていたものに気付きりんはまた小さく狼狽の声を上げた。
咄嗟に、元居た位置に戻ろうとしたようだが、私が掴む手を離さずにいると、少しばかり逡巡した後空く方の腕を伸ばし、巻き付けた布を引き寄せるようにして卵を懐に取り戻していた。
あの一瞬に優先させたのは、懐に庇護するものでなく……。
手負いの化物にも近寄り、手当ての真似事をしてのけた幼子は、化物のつくりを幼子なりに解すようになったそれ以降もその質変わらず。後も化物が手傷負う姿を目にすると、自身が傷ついたかのように顔を歪め心底案じてきた。
そう。りんは、失念しているのではない。知りながら尚、案じるのだ。
そのような処は昔も今も、一向に変わらぬ。
我知らず、薄く笑みが浮かんでいたかもしれない。触れ合わせたままの手指を、今度はこちらから絡め合わせ、擦り合わせる。更に口元へ引き寄せ、柔らかな爪乗る柔らかなその指先に、歯を立てた。膚も傷付けぬ様に、出来得る限り加減する。
膚も肉も貫いてしまえば、一度きりで終いだ。この柔らかな身には何度でも、何時までも触れていたい。それ故に。
「……殺生丸さま?」
されるがまま手指を差し出し、しかし思いを与しきれず問い掛けてくる無防備な姿。声に微かな震えが混じっていたと、そう聞こえた気がしたのは朱に色付くりんの貌を見た為か。
己の内に騒ぎ出す焦燥の声を押さえ、指先から手首、肘に更にその先にと舌を這わせたい欲を一時制し、掴む手を下ろし我が膝へと置かせた。
りんに拒む態なく、従う手を拘束から解き放つも置かれた処から離れることなく、じわと熱を伝えてくる。
――灰の上鈍く燃える火の熱など、直に触れたとて何程のこともない。
我が身を焦がす熱は唯――
りんを解放したばかりの手で、炭火の下に敷かれた灰の奥深く迄刺されてあった火箸を引き抜く。
「やはり、お前が見ている前ではこれを使うとしよう。……お前が真似ても良いようにな」
「……真似なんて、しないもの」
「どうだかな」
些か臍を曲げたのか、意地でも、といった調子でりんは云い張る。前例があるからこそ釘を刺したまでだ。
意固地になりながらも興味津々といった風の眼差しを受けながら、火箸の先を炭に交じり置かれた石の窪みに掛け引き上げた。
「あ。…温石?」
逆の手に乗せた厚織りの布の上に、引き上げたばかりの石を置き全体を包む。
私には必要のない物の一つだが、用い方などは何時からか、何時の間にか、記憶に留めた。
炭火熾る鉢にしてもそうだが、こういった物は今では邸内を見渡せば彼方此方に、然り気無く且つ当然のように在る。
覆った布の上にも熱を伝える石を、火鉢の傍らに置いてあった円形の篭の底に敷き、再び別の石を取り出す。
そのようにして整えられた温石を篭に置く様を見、りんは奇妙な顔付きになった。
「……何だ」
「…………りんも欲しい」
「お前には、必要なかろうが……」
このような物に頼らずとも、寝所でりんに寒さを覚えさせることなどない。しかしりんは何を不満に思ったのか、ふいと顔を横に背けた。呟く小声の意味を纏めると、私の用意した物だから自分も欲しかったということらしい。
「……お前に渡すではないが、いずれにしてもお前の為のものだ」
「え?」
篭の底、周囲に温石を並べ、その上に更に布を被せ。
「そら」
りんの膝からついに、二夜に渡り煩わせた大元を取り上げ、中央にできた窪みに置いた。
「殺生丸さま……?」
「…さて……。これで卵は冷えぬ、お前の目も届く」
「………うん…」
「さあ、他に懸念することはあるか?」
「えっ…?」
「あれば云え。一つずつ善処してやろう」
「え……えっと……」
逡巡してる間にも再び手を捕らえ、細腰に腕を回し引き寄せる。偶にならば悪くも無いが、今宵も他愛の無い談話ばかりで終わらせるつもりはもうない。
「…無ければ後は、お前に私の願いを叶えてもらおうか」
耳朶に口寄せ更に促してみれば、心からのものではない拒絶の仕草を見せながら、同じく心から反れた小やかなあがきの声が上がった。
「…あ…の、かご…、下は温かそうだけど、上、は…寒そうだなあって……」
「……そうだな。ならば……」
善処するとは云ったが、捕らえた身体を解放する気もない。
色付く頬に、微かに揺れる瞳。一層の熱を持ち始めた膚。詰まらぬ貞淑さなど今は忘れ果ててしまえば良い。
噛み付かんばかりの口付けを与え、同時に夜着を止める帯紐を解く。
「……やっ…」
性急といえるほど一息に衣を剥ぎ取り、篭の上目掛け放った。
「…これで良かろう」
「…………う、ん…」
合間に囁き、後はそれに目も向けない。りんの熱と匂い残る衣で覆われるなど異例の扱いだと、それは重々知るべきだ。
「寒くはないか……?」
「…ううん……あついくらい……」
重みを掛け褥に横たわらせると、覆うものがない全身に絡む視線から逃れるように首に腕を回し、りんから身体をより密着させてくる。
直に触れる素肌は心地好く、何よりも熱い。
火の熱など何程のものでなく。
我が身を焦がすは唯、この熱ばかり。
**********************
PR
Comments
Post a Comment